家紋・三階菱

照浪庵 小笠原流 煎茶

★ 7月の一口メモ  「煎茶の道具T」

中国から紹介された煎茶は当然中国の影響を大きくうけていますが 完成された一つの形で入ってきたのではなく 広い中国の様々場所から 様々のルートで 時間をかけて日本に入ってきましたので その呼び方も多様です
代表的なものだけをいくつか紹介します

涼炉【 焜炉(コンロ) ・茶炉・瓦炉(ガロ) 】

煎茶器の中で最も大きな道具で 煎茶的雰囲気を一番表しているものです
今でこそ電気やガスのお蔭で 湯を沸かすということが何の苦もなく出来てしまいますが まず湯を沸かすということができなければ始まりません
特に『随所で茶を煮る』ための必需品
起源
陸羽の『茶経』に風炉が登場
我が国の抹茶の風炉の名の語源もここから
ただ 陸羽の風炉には灰はなかった
※  
火を長持ちさせるには灰は適しているが
短時間に強い火力を要する煎茶には向かない

火が入っているのに どうして「涼しい」?
通風がよいように“風門”を作られたからです

素材
白泥の端正な形のものが基本
青磁・白磁・赤絵・金襴手 などはほとんどなく 三島・染付けが少し
見られる程度です

炉の頭部によって 一文字炉と三峰炉に分けられます

風門
涼炉の胴の部分に開けられた窓のことです
空気が通ることで 強い火力が得られます
形は 丸形 四角形 楕円形 開唇形 開扇形 木瓜形 亜字形など
様々
また 上下が二つに分かれ収納の際には入れ子にするものや
二重炉といい大小のものを二つ重ねて使うものなどもあります

呼び方の例
白泥 三峰炉 引動清風
材質 炉頭部形態 押印文字
白泥 亜字形風門 一文字炉   など

炉台

涼炉をのせる台
・落火や落灰を防ぐ
・断熱
・涼炉を引き立てる
涼炉とセットになっていない場合には その取り合わせに注意が必要です
涼炉に脚があるときには 炉台には脚がない方がいい
涼炉に脚がないときには 炉台には脚がある方がいい
材質も涼炉と同じように 白泥 朱泥 磁器 金属 など
形も様々あります

ボーフラ【 湯瓶  湯罐 】

流儀によっては‘保富良’などという字を当てるところもありますが
本来は外来語でポルトガル語 “かぼちゃ”の意味だとか
湯を沸かすために涼炉に乗せるものです 今ならヤカンでしょうか
淹茶法が取り入れられるようになって登場
始めの頃は煎茶方即ち 直接沸騰した湯の中に茶葉を入れて
煎じる方法であったために必要ではありませんでした

素材
美味しいお茶には大切な“湯”は大切な道具
素焼き(800度くらいの低い温度で焼かれたもの)を最上とします
素焼きは扱いが難しいため 最近では‘焼きしめ’と言われる1100度
程度の温度で焼かれたものを使うことが多い
煎茶は湯の金気を嫌うので 古くから瓦罐が用いられた

来月も続けます

来月の一口メモは「煎茶の道具U」の予定です

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